3月2日(月)
今日は11時に起きて気づけば14時になっていた。
何も予定を入れていない休日が一番好きだ。
19時ごろ、本を読む為に研究室に向かうと、実家から持ってきた僕のお菓子が減って申し訳程度の三袋だけ残っていた。
多分、先輩らが食った。
まぁ良いかと思いながらコーヒーを飲み、残った三袋を食べる。
残っていたお菓子も底をつき、だらだらと読みかけの本に線を引く。
しばらくたって口の中の甘みが酸味に変わり気がづいた。
体が甘みを欲している。
三袋では満足できないのだ。
逆に三袋だけ残っていたが為に満足できない自分がいる。
こんなことなら一思いに、存分に食べてもらいたかった。生殺しが一番辛い。
殺すなら全力なのだ。切り捨て御免だ。
これはもはや武道にまで及ぶ大問題なのである。
なぜ、先輩らは三袋だけ残したのかを考えた。
申し訳なさか。
いや、そうではないと僕は考えた。
偉大な先輩方はもっと知的で高尚な考えをお持ちの筈である。
先輩方は僕に試練を与えたかったのだ。
白とも黒とも言えない、そんな世の中だからこそ三袋の甘みを僕に授けたのかもしれない。
白と黒のその間のグレーこそが世の中なのだと、甘みと酸味が共存する社会に置いてお前は何を持って生きていくのかと。
だとしたらこれは優しさ。目上の人が僕に託した優しさなのだ。
人生は託されたカードで生きるしかないというが、今日という一日を僕は託された三袋で生きなければならなかったのだ。
先輩方の優しさを知って僕はまた強くなれた。
この研究室は強くなれる機会が多い。