4月29(水)
僕は全般的に恋愛の曲が苦手だ。
ほんで、それのMVも苦手。
理由はハッキリとたった1つ。
中学、高校をほとんど女の子と喋ることなく、もちろん彼女なんてできなかったからだ。
恋愛をしたくてもできなかった人間が恋愛の曲を聴くなんて自殺行為だった。
そんなことをする暇があるなら、安価スレをkskする学生生活だった。
恋愛ができなかったと言うのはそう言うことだ、人格が大きく歪むことになる。
と言うわけで、恋愛の曲に対する聴く前からの嫌悪感は今でもちょっとだけあるので、大学に入ってちょっと女の子と喋ることができるようになった今でも苦手だ。
ここからは偏見です。
だいたい恋愛の曲のMVってのは
古臭い画質で、素人くさいそこそこかわいい女の子が映ってて、
その女の子は古着系っていうかそういう格好で、
「オシャレなものを撮るのが好きです」感満載でカメラ( 一眼レフ )を覗いたり、真剣に何かを見ながら不意にこちらを向いて笑ったり、洒落てるカフェ( 喫茶店ではない )で、
白っぽくて茶色の飲み物( 黒は不可 )を飲む。
そして、ベランダで月( 三日月 )を眺めたり、タバコ( セッタかキャスター )を吸う。
あと、もちろんその曲を作ってるバンドの名前はダサい。
ほんでもって、そういう曲のコメント欄には様々なポエムや作文が添えられる。
だけど、そんな名もなきクリエイター達が書いたポエムや作文も馬鹿にはできない。
たまに本当に感動しちゃう。
と、言うことで僕も今から、名もなきクリエイター達に負けぬように、みんなを感動させたいと思います。
ただ、やっぱり恋愛の曲は苦手なので選曲は勘弁してください。
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この曲を聴くと思い出すのは、いつも彼のことです。
車が大好きな彼とのデートは、必ずドライブから始まりました。
彼が私の家に迎えに来てくれて、適当に車を走らせながら、行く場所を決めるのです。
だけど、家の門限が厳しい彼と遊ぶ時間は決まってました。
彼はいつも、最大限の時間を私と遊べるように必ず朝の10時に迎えに来てくれるのでした。
そんな彼がいつも車で流していたのがこの曲でした。
あるデートの日、10時になっても彼からの連絡がありませんでした。
いつもは時間通りに迎えに来てくれる彼だから、心配だよ、と30分置きにメールを送りました。
そして気づけば2時間も過ぎていたので、それからは何度も電話をしました。
彼は出ませんでした。何度電話してもでませんでした。
それからしばらくすると携帯の電話がなりました。画面には彼氏の名前です。
「ねぇ、テル君!?どうしたの!?何かあったの!?」
「うぅ…はぁう…はぁん…」
電話の向こうで女性がすすり泣く声が聞こえました。
「えっ…どちら様ですか…テル君じゃないの?…」
「すみません、テルの母です。あなたはテルの彼女の…ミカさんですよね…?」
「あぁ…テル君のお母様…えぇ…そうです、テ…テル君に何かあったんですか…!」
「テルは…あなたの家に向かう途中で事故にあったようで…」
「えぇ、なんで…」
「…きっとテルは…相当急いでいたのよ、峠のコーナーを曲がりきれず…崖に…見分けがつかないほど無残な姿だったの…だけど、なんとか携帯だけは無事で…そこからそれがテルだって判別がついたの…」
「そんなっ…そんなぁ…、どうしてそんなことに…」
「そして、その死んだテルの携帯に、あなたからの大量のメールと、着信履歴、そして『ごめん、ミカ。ミカの家まで遅れそうだよ急ぐね。だいす…』と、打ちかけのミカさんに向けた文章が残っていた。だから私も…思わずあなたに…電話をかけてしまったの…」
テルのお母さんの悲鳴にも似た泣き声が耳にツンと響きました。
「なんてこと…もう、何と言ったらいいか…すいません、一度、電話を切らせてください…頭が真っ白で…」
私は静かに深呼吸をしました。そして落ち着かせるために暖かいココアをすすりました。
お母さんとの電話を切ってしばらくした後、携帯に着信がありました。
「ミカ、計画はどう?…うまくいっているよね?」
「やったわよ、テルくん。お母さん相当焦ってたわ。あれだけ私の事を嫌っていたのに泣いて電話が来たわよ」
「おぉ、そうか…よかったよ。お袋には少しかわいそうだけど、君との愛のためなら俺は死ねるさ」
「何いってんの。テルくんが死んだんじゃなくて、誰かも分かんないホームレスが死んだんでしょ、笑わせないで!」
「あぁ、そうだったね。つまるところ、これからは誰にも邪魔されず君とずっと二人で居られる訳さ。きっと二人ならどんな峠だって制覇できる。」
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あ!!!
あとこの作文、タイトルをつけるなら、
『故意死,テル』